テスクの上にノートPCが置かれていて、グーグルの検索結果画面が表示されている

私たちがインターネットで調べ物をするとき、直接調べたいサイトにアクセスするのは稀です。ほとんどの場合は、どこに情報が載っているかを探すためにグーグルやYahooのトップページにまずアクセスし、そこで調べたいキーワードを入れて検索をかけるのではないでしょうか。

例えば就職活動や転職活動をするときに、希望する企業の情報を調べることはよくあります。そのときに、グーグルの検索結果の上位に「会社名+ブラック」などのキーワードが盛り込まれたサイトが表示されたらどうでしょうか。実際にはブラック企業ではなくても、ブラック企業という印象を持ってしまいますよね。

今回は、グーグルの検索結果に誹謗中傷や風評被害が含まれているときの対策方法を解説します。

グーグルやヤフーなど、検索エンジンの仕組み

検索結果画面の表示

グーグルのトップページにアクセスすると、虫眼鏡が左側についた検索窓が表示されます。この検索窓にキーワードを入れると、候補となるサイトがいくつか出てきます。 このとき表示されるのは上から順に以下のようになっています。

①サイト名または該当ページのタイトル ②URLとキャッシュ ③サイト内の文章で、キーワードが含まれている部分(スニペット)

誹謗中傷の事例において問題となるのはこの①〜③の全てです。キャッシュとは、ブラウザがそのページを以前検索したときに表示された記憶のようなものです。過去の状態が保存されているため、サイトの内容が更新されたあとでもキャッシュを開くことで過去のサイトの文章を見ることができます。

スニペットとは、サイト内の本文のような部分です。その中でもキーワードに該当する部分をピックアップして検索結果に表示するため、サイトを開かなくてもある程度内容がわかることもあります。

サジェストワードとは

グーグルの検索窓にキーワードを入力したときに、さらに単語が加わったものがその下にいくつか表示されることがあります。例えば「東京 観光」と検索窓にいれただけなのに、その下に「東京 観光 スポット」「東京 観光 子供」など、入力していない単語が表示されるようなケースです。

こうして表示されているワードのことを「サジェストワード」と言います。サジェストワードは、実際に検索されているというよりも候補として表示されるものです。

関連キーワードとは

サジェストワードと似ているものとして、検索キーワードというものがあります。グーグルの検索画面でキーワードを検索し、検索結果のページに行ったとき、最下部に「◯◯に関連する検索キーワード」と表示され、その下にいろいろなキーワードが表示されています。

この検索キーワードは、実際にこれまで検索されてきたワードです。「東京 観光」であれば、「東京 観光 一人」「東京 観光 穴場」などです。そしてここにも誹謗中傷のワードが表示されることがあります。

グーグルの検索結果に誹謗中傷ワード…何が問題になる?

このように、インターネットで検索するときにも誹謗中傷に関わるワードが表示されることがわかります。では、具体的にはどういったことが問題となるのでしょうか?

業務妨害

例えば先ほどの例のように、会社名を検索したとき、サジェストワードや検索関連ワードなどで「ブラック」といったワードが合わせて表示された場合、実際はどうかに関わらずそれを見る人には「この会社はブラック企業だ」と見えてしまいます。

ブラック企業であるということが一人歩きしてあたかもそれが真実かのように広まってしまう・結果求人広告を出したとしても人が集まりにくい・ひいてはその会社のブランドイメージが低下して売り上げや株価が落ちてしまう…といった影響が考えられます。法人やお店などの場合は、業務妨害罪が問題となりやすいのです。

プライバシー侵害

著名人に多い被害事例として、プライバシー侵害があります。検索窓に名前を入れると、関連キーワードやサジェストワードに「本名」「恋人」「自宅」などのワードが表示され、そのワードで検索をかけやすくなるという具合です。 この他にも、自分の名前で検索した結果数年前の逮捕歴に関する検索結果が表示されるということも実際にありました。

最近ではインターネット上で本名やビジネスネームを使ってブログやサイトを開設して仕事をしている人が増えてきました。こういった人を狙って誹謗中傷のサイトが立ち上がったり、掲示板にスレッドが立ったりといったことが起きていますので、知名度がない個人だったとしても安心はできません。

また、スニペット部分にプライバシーを侵害するような情報が表示されてくることも考えられます。

名誉毀損、侮辱罪

業務妨害罪のところとも類似しますが、固有名を検索したときにネガティブなキーワードが関連してヒットしてくることでその人の名誉を毀損するケースは多いものです。

例えば「不倫」「借金」「前科」「詐欺」といったワードが関連してヒットしてくれば、その事実がなかったとしても「本当なのかもしれない」と見た人に思わせてしまいます。 検索結果に関連ワードなどで上がってくると、人は「火のないところに煙は立たないはずだ。検索されているということは何かあるのかもしれない」と考えてしまいがちです。

誹謗中傷の検索結果を放置することの危険性

対策としては、一刻も早く検索に引っかからないようにすることと、誹謗中傷の投稿そのものを削除するしかありません。

投稿そのものを削除することも大切ですが、それだけでは片手落ちです。実際にサイトそのものがなくても、検索結果に誹謗中傷に関するワードがヒットする・キャッシュが残ったままで自由に閲覧することができるとなれば、せっかく投稿を削除したのにまだ被害が広がっていきかねません。

よく、Twitterで炎上している人がすぐに投稿を削除したにも関わらず、その後も延々とネット上に書き込みが拡散されていることがあります。これは、削除前の投稿を見たユーザーがスクリーンショットなどでその書き込みを保存していたり、キャッシュにまだ残っていてそれを閲覧することができるからです。できればこうなる前に対策を打たなければなりません。

投稿そのものの削除の方法については、ネットの誹謗中傷の書き込みを削除する7つの全手順を徹底解説!を参照してください。ここでは、グーグルやYahoo!などの検索エンジンに対する対策について開設していきます。

誹謗中傷の検索結果を削除するために必要な対策

検索エンジン上で誹謗中傷が行われているとき、具体的には以下の対策を取っていくことになります。

  • ・キャッシュの削除
  • ・検索結果の削除

Yahooに対する対策は?

日本国内で検索エンジンといえば、グーグルとヤフーが2大検索エンジンです。そうすると、グーグルと合わせてヤフーに対しても対策をしなければならないのではないかと思えますが、今のところグーグルに対してなんらかの削除依頼をすれば、それがヤフーにも反映されますので、ヤフーに対して検索結果やキャッシュの削除請求を行う必要はありません。

実は2010年以降、グーグルの検索技術はヤフーに提供されているというのがその理由です。ただ、ヤフーでも削除の手続きはできますので、徹底的に削除したい・グーグルでは削除できているのにヤフーにはまだ残っている、という場合にはヤフーに対して削除依頼をすることも可能です。

誹謗中傷検索の対策の手順①キャッシュ削除を求める

では、まずはキャッシュの削除について見ていきましょう。先ほども説明した通り、検索結果が表示されると、サイトのURLの右隣に「キャッシュ」というリンクが貼られています。これをクリックすると、過去のサイトの情報が表示されることがあります。

誹謗中傷にあたる書き込みがなされていたサイトで、該当する書き込みについて削除をしたあとは、このキャッシュについても削除の手続きが必要です。

まずは元のコンテンツを削除する

キャッシュを削除する前に、誹謗中傷や風評被害の原因となっている投稿について削除しておくことが必要です。これについては、ネットの誹謗中傷の書き込みを削除する7つの全手順を徹底解説!でその手順を詳しく解説しているので参考にしてください。

キャッシュ削除の方法

コンテンツ自体を削除し終えたら、キャッシュの削除に移ります。グーグルの「Ssarch Console」というページから削除リクエストを行います。

まずは削除を依頼するサイトのURLをコピペします。そうするとグーグルがそのページがまだ削除されていないか、もう削除されているかをチェックしてくれます。もしも削除がまだ済んでいなければ「まだサイト所有者が削除していないようです」という表示が出ますので、確認しましょう。

削除が住んでいる場合は、「元のウエブサイトで更新または削除されていますか?」のあとの「はい」にチェックをし、次に進みます。さらにグーグルがURLを分析していきますが、削除が住んでいる場合はポップアップの表示に従って先に進み、削除リクエストを完了させてください。

誹謗中傷検索の対策の手順②検索結果削除を求める

元のサイトが削除依頼に応じてくれないような場合には、グーグルの検索エンジンが検索結果としてそのサイトやページを表示しないように依頼する必要があります。この場合は、「法的な削除リクエスト」を行います。

削除対象となるコンテンツを選択する

削除対象となるコンテンツはいろいろあり、ウエブサイトの他にもYouTubeやGoogle playなどについても削除依頼を行うことが可能です。削除リクエストページには、ここから飛ぶことができます。

報告したいことを選択

例えば「ウエブ検索」の削除を選択した場合、報告したい内容を選ぶ場面に移りますので、「検索結果から個人情報を削除したい」「コンテンツは削除されたが検索結果にはまだ表示されている」など、問題に合わせて報告内容を選択します。このように、画面に従って適切なものを選んでいくことで手続きが進んでいきます。

自分が管理しているサイト以外のサイトで誹謗中傷や風評被害が行われていることがほとんどですが、誹謗中傷や風評被害による名誉毀損やプライバシーの侵害に対し、相手方には表現の自由があります。

そのため、その削除依頼が不正に行われていないか・不正に行われた場合不利益が生じる可能性があることを認識しているかという表示が出ることがありますので、この点についてはしっかりと確認しておきましょう。

グーグルが検索結果の削除に応じない場合は仮処分の申し立て

検索結果を削除してもらうよう依頼したにもかかわらず、グーグル側が削除に応じてくれないこともあります。先ほども少し触れたとおり、サイトを作成したり書き込みをしたりしている人にも表現の自由が認められるためです。

名誉毀損などは本当にその要件を満たしているのかの判断が難しく、安易に削除に応じてしまうのも危険ということで、削除リクエストをしたからといって必ずしも希望通りの対応をしてくれるとは限りません。

その時に有効な手段として、検索結果削除の仮処分申し立て、または検索結果削除請求訴訟が考えられます。 一般的に仮処分は、その状態を放置することによる不利益が大きく、暫定的な対応が必要であると判断された時に認められるもので、早ければ数週間で仮処分命令が下されることもあることから、まずは仮処分の申し立てを行うのが妥当でしょう。

【注意】申し立ての債務者は米グーグル社

グーグルは世界規模の法人で、日本法人もあるものの、本社はアメリカのカリフォルニア州にあります。仮処分の申し立てはグーグルの日本法人ではなく米グーグル社に対して行わなければならないので注意してください。

海外の法人が仮処分や訴訟の相手方になる場合は、まず、その国の法律に従って設立された会社である」ということを証明するための資格証明書を取得する必要があります。 資格証明書の取得について詳しくは(リンク:)「誹謗中傷の削除請求先が海外法人だった場合の手続き方法(タイトル未定)」を参照してください。

グーグルに対する誹謗中傷の検索結果削除は弁護士に相談を

ネット上で誹謗中傷が行われているとき、まず必要な対策としては、誹謗中傷や風評被害の原因となっている書き込みを削除することでした。しかし、投稿そのものを削除したとしても閲覧できる状態にあったり、キーワードを検索したときに関連ワードとして表示されたりしてしまえば効果は半減です。

徹底的に誹謗中傷や風評被害のダメージをなくすためには、検索エンジンに対しても検索結果やキャッシュの削除リクエストを行う必要があります。 この点、グーグルは専用のリクエストフォームを用意しており手続きは簡単ですが、必ずしも削除リクエストに応じてくれるとは限りません。もしも削除リクエストに応じない場合には、仮処分や訴訟といった法的措置に出る必要が出てきます。

仮処分や訴訟は法的知識や経験がなければ、自分で行うことは難しいものです。ましてやグーグルの場合は日本法人ではなく海外法人となるため、通常よりも手続きは煩雑です。 当法律事務所では、このような誹謗中傷トラブルを多く扱っています。風評被害や誹謗中傷の問題を迅速に解決するためにも、まずは当弁護士にお気軽にご相談ください。