
爆サイ.comで誹謗中傷や個人情報(が推測できるもの)が書き込みされると、5ch等の他の掲示板より被害が具体化しやすい傾向があると言われています。
なぜなら、爆サイは地域密着型の掲示板であるため、一旦サイト上で誹謗中傷が広がると、ネット外でも人伝いに悪い噂が広まることもあるからです。会社であればそれがそのまま売上の低下に繋がりますし、個人であっても、名誉やプライバシーが侵害され、その地域での生活に支障をきたすことでしょう。
そうは言っても、書き込みの削除方法や、投稿した犯人の特定の方法がわからない、という方が多いことでしょう。
そこでここでは、ネットでの誹謗中傷問題に詳しい弁護士が、爆サイの書き込み削除の方法や、犯人の特定方法についてわかりやすく解説していきます。
また、爆サイの削除依頼の方法を画像・テンプレ付きで解説していますので簡単でわかりやすく読めるようになっています。
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この記事の目次
1. 爆サイが削除する書込みとは?
じつは、爆サイ.comでは、どのような書き込みを削除するかを、利用規約ではっきりと示しています。その中でも特に、誹謗中傷やプライバシーの侵害に関する規定を抜粋して紹介します。
(1)当サイトにおいて以下の行為を禁止します。
5.他人の名誉、社会的信用、プライバシー、肖像権、パブリシティ権、著作権その他の知的財産権、その他の権利を侵害する行為(法令で定めたもの及び判例上認められたもの全てを含む)
6.本名、住所、メールアドレス、電話番号の記載(一般に公開されている情報・公人に関してはこの限りではありません)
(2)1~15に記載された各事項に反する行為の存在が判明した場合、当社は当該投稿記事の削除・編集及び当該投稿者に対するアクセス拒否その他が必要と判断する措置を講じる場合が御座います。
個人・法人を問わず、悪口や誹謗中傷、風評被害となるような書込みを行えば、名誉や社会的信用を害する書込みとして削除の対象となります。
また、氏名・住所・メルアド・電話番号については、削除人が記載を確認すれば原則として削除してくれますが、Facebook、InstagramなどのSNSや会社のWEBサイトなどで自分の個人情報が一般公開されている場合は削除の対応はしてくれません。議員や公務員といった公人についても同様です。
1-2. 爆サイで個人情報や誹謗中傷されている箇所を探すには?
爆サイは巨大な掲示板のため、どのスレッドで自分のことについて書かれているのか手作業で探すのは膨大な時間がかかります。
しかし、爆サイではそのような手間を省くためのサイト内検索機能がついています。
関東版を例に出すと、次の画像の「関東版検索」の欄に、自分の名前(企業の場合は「○○株式会社」等)を入れれば、爆サイ内で自分の名前が書かれたスレッドやレスが見つかります。
このサイト内検索を利用することで、自分の悪口や個人情報などが書き込まれているページを絞り込むことが可能です。
2. 爆サイの削除依頼方法
爆サイに投稿された誹謗中傷の書き込みを自分で削除するためには、運営者に削除依頼をしなくてはなりません。
2-1. 手順①:まずは削除依頼ボタンを押す
爆サイ.comでは、運営会社や管理人の氏名、電話番号は一切公表されていません。そのため、自分で削除依頼をするときには、削除依頼フォームから行うことになります。
削除依頼フォームに進むためには、各スレッドの画面を最下部までスクロールすれば見つかる、「削除依頼ボタン」をクリックします。
2-2. 手順②:削除依頼フォームに必要事項を入力
削除依頼フォームに進むと、掲示板のタイトル、スレッドNo.、スレッドタイトルまでは自動入力されていますが、レス番号や通報区分、返信用アドレス、削除依頼理由は手入力しなければなりません。
2-2-1. 「レス番号」
必ず1つの数字だけを記入してください。削除依頼の手続きは各レス毎に行わなければならないというルールが設けられているからです。
また、例えば、「株式会社○○はヤクザのフロント企業であることが判明」といったタイトルの事実無根のスレッドがある場合は、レスではなくスレッドそのものを削除してもらう必要があります。この場合は、レス番号の記入欄には「0」の数字を入力してください。
2-2-2. 「通報区分」
氏名や住所などの個人情報が書かれたレスであれば「個人情報の記載」をチェック、悪口や誹謗中傷といった名誉を害するレスであれば「その他」をチェックしてください。
2-2-3. 「メールアドレス」
削除依頼フォームに必要事項を記載して爆サイに送信しただけでは削除依頼は完了しません。
送信後に、爆サイから届く認証メールに記載されているURLリンクをクリックして初めて削除依頼が受理されます。
そのため、爆サイから送られてくるメールを受信するためのメールアドレスをここに記載する必要があります。
なお、迷惑メールフィルターをかけていると受信できない場合がありますので、爆サイのメールアドレス「noreply@bakusai.com」からのメール受信が出来るように事前に設定しておきましょう。
2-2-3. 「削除理由」
削除理由については、以下の2点がわかるように書かなくてはなりません。
- その書込みが利用規約の禁止事項に違反していること
- それにより自分がどのような損害(権利侵害)を受けているのか
ただし、削除理由は750文字以内で入力しなくてはいけませんので、主観的・感情的になって長々と書くのではなく、法的な観点から冷静に端的にまとめるようにしましょう。
参考:爆サイの利用規約
削除してもらえるかどうかの分かれ目となる重要なことが、「削除依頼理由」に何を書くかです。この後の、「爆サイの削除依頼のテンプレート」を参考に書いていきましょう。
2-3. 手順③:同意欄にチェックし、「削除依頼を送信」ボタンを押す
必要事項を入力したら、削除依頼フォーム下部にある同意事項の内容を読みます。
当事者または弁護士以外が依頼してはならないことが記載されていますので、それに同意したら、「内容を確認し同意する」という同意欄にチェックします。
次に、「削除依頼を送信」ボタンを押します。
2-4. 認証メールの確認を促す画面に切り替わります
「削除依頼を送信」ボタンを押すと、noreply@bakusai.comからの認証メールを確認するよう促す画面に切り替わります。
削除依頼フォームに記入した自分のメールアドレス宛に爆サイからのメールが届いているか確認しましょう。
2-5. 認証メール内のURLリンクをクリック
爆サイから届いたメール本文内のURLリンクをクリックします。
2-6. 削除依頼完了
URLリンクをクリックすると、「削除依頼を受理しました」と表示され、依頼が完了したことを示す画面に切り替わります。
また、おおよそ72時間で削除するかどうか判断する旨が記載されていますが、あくまでも”おおよそ”です。72時間以降~10日してから削除されたケースも報告されていますので、10日間は様子をみたほうが良いでしょう。
3. 爆サイの削除依頼のテンプレート
爆サイに誹謗中傷レス(またスレッド)の削除依頼をしたいが、削除理由の書き方が分らない方もいると思います。
そこでここでは、削除理由がスムーズに書けるようにテンプレートを用意しました。以下のテンプレートに自分のケースを当てはめて修正して使用しましょう。
爆サイの削除依頼のテンプレート | |
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個人の削除依頼ケース① | はじめまして。この度、御社運営の爆サイ.comにおけるレスにより、以下の損害が発生しているため削除依頼させていただきます。 レス番号#○○の箇所に、私の本名や携帯番号、誹謗中傷の書込みがされています。嫌がらせ電話等、私の生活の平穏やプライバシーへの侵害も予想されます。 これは、御社が定める利用規約第3条1項5号・6号に違反するものと考えられます。 上記理由により削除をお願い致します。 |
個人の削除依頼ケース② | 削除依頼の件でご連絡させていただきました。 レス番号#○○に、私の勤務先である性風俗店名と、店で名乗っている源氏名、私への誹謗中傷や悪口が記載されております。このお店でこの源氏名のキャストは私しかいないため、個人が特定できる状況にあります。 さらに、誹謗中傷により社会的評価が低下し、指名客の減少など私の仕事への影響も懸念されます。 これらのレスは、爆サイ.com利用規約3条に規定されている、他人の名誉・社会的信用・プライバシーを侵害する書き込みであるため削除をお願いいたします。 |
法人の削除依頼ケース | お世話になります。 株式会社○○の代表取締役××と申します。 御社運営の爆サイ.comにて、弊社が提供するサービスを虚言により貶す書き込みを見かけました。具体的には#○○の箇所です。 この書き込みは、サービスに対する批評の域を越え、法人の名誉を毀損する内容となっております。また、弊社の経済的評価を貶める内容でもあり、信用毀損罪や偽計業務妨害罪にもなりうる書き込みです。 実際に、御社運営の爆サイ.comでの書き込みを見たというお客様からのご指摘もあり、風評被害でこれ以上の損害が生じないようにするためにも早急に対処したいと考えております。 この#○○のレスは、御社が定める利用規約第3条1項5号に規定されている、社会的評価・その他の権利を侵害するものと思われることから、削除申請をさせて頂いております。 何卒ご対応のほど宜しくお願い致します。 |
4. 削除依頼をするときの注意点
4-1. 当事者または弁護士以外が依頼してはならない
爆サイでは当事者または弁護士以外による削除依頼をしてはならないと明記しています。
3.非弁行為・非弁護士との提携の禁止・表現の自由について
削除要請は、弁護士以外の者が行うと弁護士法第72条で禁止している(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)または、第27条 (非弁護士との提携の禁止)に該当する可能性があります。
削除要請は当事者、または弁護士にご依頼下さい。
当事者とは、個人が誹謗中傷の被害者である場合はその個人、企業が被害者の場合は社員がそれに該当します。
それ以外の者、例えば、削除代行業者がお金をもらって削除依頼の代理を請け負うことは弁護士法72条に違反します。違法行為に手を貸さないよう注意しましょう。
4-2. 依頼は必ずフォームから行う
爆サイの運営者情報の箇所に、「info@bakusai.com」とメールアドレスが記載されています。
しかしこのメールアドレスはあくまでも質問をするための連絡手段であり、爆サイで書き込みの削除依頼をするときは必ず、削除依頼フォームから行うルールになっています。
ルールを守らないとアクセス禁止等の処分がくだされることもありますので注意が必要です。
4-3. 削除依頼はレス番号ごとに送信する
1つのスレッドに複数の誹謗中傷の書込みがある場合でも、爆サイ.comの削除依頼フォームではレス番号ごとに削除依頼を行う必要があります。
例えば、一つのスレッドの中で、#15〜#17のレスにわたって誹謗中傷が行われた場合、削除依頼は#15、#16、#17と、ひとつずつ行わなくてはなりません。つまり、このケースでは合計3回の削除依頼手続きが必要になります。
1回1回、削除依頼フォームに記入するのが面倒くさいからといって、レス記入欄に複数のレス番号をまとめて記入しないように注意しましょう。
4-2. 72時間以内に同じ内容の削除依頼をしない
爆サイ.comでは、同じ内容の削除依頼が72時間以内に連続した場合、「業務妨害」と判断して、爆サイ.comの禁止リスト登録すると書かれています。
禁止リストに登録されてしまうと、その後の削除依頼には応じないこともあると書かれています。焦る気持ちはわかりますが、重複して削除依頼をかけないよう注意してください。
なお、”同じ内容”とは”同一レス”のことを指します。例えば、#15のレスについて削除依頼をした場合、72時間以内に#15のレスについて再度の削除依頼をしてはならないという意味です。
つまり、#15以外のレスについては72時間の縛りに関係なく削除依頼をしても問題ありません。
4-5. 威圧的削除依頼をしない
禁止リストに登録されるのは、72時間以内に同じ内容の削除依頼をかけた場合だけではありません。「威圧的削除依頼」がなされた場合も、業務妨害として禁止リストに入れられてしまう可能性があります。
威圧的削除依頼とは、例えば「さっさと削除しろ」「まだ削除が終わらないのか」などの高圧的な文言で削除依頼をかける場合です。
削除依頼フォームには依頼理由を記載する欄がありますが、ここに高圧的な文言を入れることのないよう、くれぐれも注意してください。
4-6. 削除依頼が成功するとログが消える
削除依頼が爆サイに認められ、誹謗中傷の書込みが削除されることは大変喜ばしいことです。
しかし、削除依頼が成功すると、書き込み犯人を特定するためのIPアドレス等のログといわれる情報も一緒に削除されてしまいます。ログが消えれば犯人特定は不可能です。
そのため、書き込みをした犯人を警察に逮捕してもらいたい、身元を突き止めて慰謝料や損害賠償を請求したい考えている人は、削除依頼の前にまずは爆サイで書き込みをした犯人特定を優先させる必要があるでしょう。
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5. 削除依頼で失敗した時の対処法
削除依頼が通らなかった時の原因としては、そもそもその書込みが、人の権利を侵害するレベルではないと爆サイの運営者に判断された可能性が最も高いでしょう。
とはいえ、その書き込みによって何らかの被害を受けている、或いは受ける怖れがある人にとっては放置しておくわけにはいかないでしょう。
そこでここでは、爆サイの削除依頼が失敗した場合の対処法を紹介します。
5-1. 削除理由を書き直し、再申請をする
削除依頼をするにあたり最も重要な記載箇所は、「削除理由」です。
どのような権利が侵害されているのか、どのような実害が生じているのか(または生じる可能性があるのか)、この2点を、爆サイの削除人にしっかりと理解してもらえるように書かないと、削除依頼に応じてもらえないことがあります。
爆サイの削除依頼のテンプレートを参考に削除理由をもう一度書き直して再申請しましょう。
5-2. 送信防止措置依頼をする
送信防止措置依頼とは、プロバイダ責任制限法という法律に定められた、WEB上の誹謗中傷や個人情報などの書き込みを削除するよう求める手続きです。
当該書き込みにより、人の権利が侵害されていることが明らかであるにもかかわらず、サイト運営者がその権利侵害を防止する措置(送信防止措置)を講じなかったときは、サイト運営者は被害者に対して損害賠償の責任を負います(プロバイダ責任制限法第3条)。
そのため、爆サイの運営者も、フォームからの削除依頼にも増してより慎重に権利侵害の有無を確認してくれることが期待できます。
爆サイ.comでは、「弁護士・法務関連の申告窓口」を設け、ここから送信防止措置依頼の手続きができるようになっています。手続きをスムーズに進めるためにも、プロバイダ責任制限法と送信防止措置依頼についての知識は保有しておいたほうが良いでしょう。
5-3. 弁護士に削除を依頼する
もし、爆サイ.comの運営会社が送信防止措置依頼に応じないときは、弁護士に依頼して、爆サイ運営者と任意交渉をしてもらうか、裁判所に仮処分(仮の判決と考えて下さい)の申し立てをしてもらいましょう。
5-3-1. 任意交渉による削除
任意交渉とは、弁護士がサイト運営者と書面のやり取りをして削除を要求することです。
法律の素人の方がサイトのフォームを通して削除依頼をしても、表現の自由との兼ね合いから、そう易々と投稿を削除してくれないケースが多いのが現状です。
しかし弁護士は、表現の自由を上回る、守るべき被害者の名誉や社会的評価、プライバシー権の存在を、法律に則って論理的に説明することができます。法律の専門家である弁護士が介入することですんなりと削除に応じてくれるケースも少なくありません。
5-3-2. 仮処分の申し立てによる削除
一般的な裁判で書き込みの削除を訴えると長いと1年以上かかりますが、それではその間も、ネットの誹謗中傷の書き込みは消えずに残り、被害が拡大します。
それに対し、裁判所に仮処分の申請をして、書き込み削除の仮処分命令(仮の判決)が出るのは一般的な裁判と比べて早いため、被害が大きくなるのを防ぐことができます。
弁護士でなくとも自分でもこの申し立てはできますが、仮処分命令申立書という書類の作成や添付資料の準備、裁判官との面談(審尋といいます)など、法律の素人では対応が難しく、弁護士に依頼する人が大半です。
5-4. 警察に被害届や告訴状を提出する
警察には、WEB上の書き込みを強制的に削除する権限があるわけではありません。
しかし、書き込みをされた人が名誉毀損罪や侮辱罪で刑事告訴をして、犯人逮捕にまで至れば話は別です。
犯人は不起訴や執行猶予判決を得るために、弁護士を介して書き込みを削除したうえで示談の申し入れをしてくることが予想されます。
ただし、「どこからが誹謗中傷にあたるのか」という判断が難しいため、実際に警察が動いてくれるケースは多くはありません。
まずは、ネット犯罪に精通したサイバー犯罪相談窓口に相談し、警察による対応が可能かどうか確認してみましょう。
7. 爆サイで書き込みをした犯人特定方法
誹謗中傷のレスを書き込みした犯人を突き止めて、慰謝料を請求したい・名誉毀損で民事訴訟を起こしたいなど、何らかの法的措置を取りたいと考えることは珍しいことではありません。
そういう場合は、爆サイで書き込みをした投稿者を特定し、個人情報を割り出すための手続きをしなければなりません。
その手続きは、プロバイダ責任制限法という法律で定められている「発信者情報開示請求」という方法によります。
7-1. 第一段階:爆サイにログの開示請求
誹謗中傷や名誉毀損、プライバシー侵害などの被害に遭った時、プロバイダ責任制限法に基づいて「発信者情報開示請求」をすることでその書き込んだ本人を特定します。
発信者情報開示請求は2段階になっていて、第一段階として、爆サイ.comに対して投稿のログ(ログとは、IPアドレスやタイムスタンプ、SIMカード識別番号等の通信記録のこと)を任意で開示するよう請求します。
※注意!:爆サイでは、ログ照会依頼フォームが設けられていますが、これは、捜査関係者(警察・検察)用です。一般人は利用できないので注意が必要です。爆サイへの発信者情報開示請求は、「弁護士・法務関連の申告窓口」から行うようにしてください。
7-1-1. 仮処分の申し立て
爆サイが任意の開示をしなかった場合には、裁判所に仮処分の申し立てをしなくてはなりません。
仮処分とは、権利を守るため緊急性が高い場合に、正式な裁判(本訴訟)の前に、勝訴したのと同じ状態を確保する手続きです。裁判が長期化することで権利侵害が進行してしまうのを防ぐための救済的手続きです。
もちろん、”仮”ですので、仮処分のあとに相手方が正式な裁判に持ち込むこともあります。しかし、申し立てが通り裁判所から爆サイに仮処分命令が下されると、通常は爆サイも仮処分命令に従いますので裁判にまで発展することは極めて稀です。
爆サイからログの開示を受けたら次の第2段階に移りましょう。
7-2. 第二段階:プロバイダに個人情報の開示請求
第一段階の発信者情報開示請求によって爆サイからログ(IPアドレス等)の開示がされたら、「IPアドレスからプロバイダーを検索 | IP SEARCH」を利用して、IPアドレスから書き込みした者の契約しているプロバイダ(OCN・so-net・BIGLOBE等のインターネットサービスプロバイダ)がどこかまずは調べましょう。
次に第二段階として、このプロバイダに対して発信者情報開示請求を行い、契約者の氏名や住所、メールアドレス等の連絡先を開示するように求めます。
プロバイダが任意で契約者情報を開示しない場合には、裁判手続きが必要となります。この場合は、先ほどの仮処分の申し立てではなく、発信者情報開示請求訴訟という正式な裁判を提起する必要があります。
そして、裁判で権利侵害の事実が認められれば、裁判所がプロバイダに発信者情報開示命令を出します。これにより、請求者はプロバイダから投稿者の個人情報を教えてもらうことができるようになります。
なお、犯人がネットカフェから誹謗中傷の書き込みをした場合は、開示請求によって知ることができるのはネットカフェの運営会社等の情報です。この場合は、ネットカフェの運営会社(個人運営であれば運営者)に対して改めて発信者情報開示請求をすることとなります。
8. 犯人が特定できたら法的対応ができる
爆サイに書き込んだ犯人の身元がわかれば、名誉毀損による慰謝料や損害賠償請求が行えます。住所と名前がわかりますので、まずは内容証明郵便を送付し、それでも請求に応じないのであれば訴訟を起こす形となります。
また、誹謗中傷のケースでは、名誉毀損罪や侮辱罪(企業の場合は、信用毀損罪・偽計業務妨害罪でも可能)で警察に刑事告訴することも可能です。
9. 弁護士に爆サイの誹謗中傷を削除してもらうメリット
9-1. 迅速な対応でネットに拡散するリスクを軽減できる
爆サイへの削除依頼が通らなかった場合、再申請や送信防止措置依頼をするのが自分で対処できる限界です。
なかには、再申請しようにも削除理由の書き方や、送信防止措置依頼書の書き方が難しくて立ち止まってしまう人もいることでしょう。
誹謗中傷の投稿は、時間の経過とともに閲覧する人が増え、さらには、爆サイ以外の掲示板やSNSといったネットの世界に拡散されるリスクもあります。
この点、弁護士であれば爆サイとの任意交渉や仮処分の申し立てを迅速に行ってくれますので、これらのリスクを軽減することができます。
9-2. 難しい手続きを一任できる
サイト運営者との任意交渉、仮処分の申し立て、発信者情報開示請求、開示請求訴訟など、個人では非常に難しい手続きも弁護士に依頼すれば全て一任することができます。
爆サイの削除の弁護士費用が発生するというデメリットはありますが、難解な手続きを代理してもらい、ネットに存在する誹謗中傷を早急に削除してもらうことで、個人の名誉や企業の社会的評価の低下を防ぐことができます。
9-3. 削除だけでなく犯人への責任追及もできる
爆サイの削除依頼フォームから削除依頼をしてそれが成功すると、犯人特定のためのログと呼ばれる情報も消えてしまいます。
いくら誹謗中傷の書込みが削除されたとはいえ、犯人がなんのお咎めなしに今までどおりの生活を送ることが許せない人もいるでしょう。
また、何らかの責任をとらせないと、再度、爆サイに同様の書き込みをしないとも限りません。その都度、フォームから削除依頼をしていてはいたちごっこになるだけです。
この点、弁護士は、仮処分申し立て等の削除手続きに並行して、犯人特定のための発信者情報開示請求も同時に進行させますので、ログが消えて犯人が永久にわからないといった事態を避けることができます。
書き込み犯人に損害賠償等のペナルティーを与え、根本的な解決を図るためには弁護士への依頼が必要となるでしょう。
10. 爆サイの削除や犯人特定の弁護士費用の相場
爆サイのレスやスレッドの削除、投稿した犯人を特定するための弁護士費用は法律事務所によって料金や価格体系が違います。平成16年に弁護士報酬が自由化されたため、法律事務所によって自由に料金を設定できるようになったためです。
そのため、以下で示す費用相場の表は、ある程度の”目安”として参考にして頂けたらと思います。
※「裁判にかかる実費」とは、裁判所に納める印紙代や切手代など実際にかかる費用です。
着手金 | 報酬金 | 裁判にかかる実費 | ||
書き込み削除 | 裁判外の任意交渉 | 5万円~15万円 | 5万円~15万円 | × |
裁判 | 20万円~25万円 | 15万円~20万円 | 約3万円 | |
犯人の身元特定 | 裁判外の任意交渉 | 5万円~15万円 | 15万円~25万円 | × |
裁判 | 20万円~30万円 | 15万円~25万円 | 約6万円 | |
損害賠償請求 | 裁判外の任意交渉 | 10万円~15万円 | 獲得した慰謝料の16% | × |
裁判 | 20万円~30万円 | 獲得した慰謝料の16% | 約3万円 |
なお、弁護士費用は、着手金や報酬金のほかに、相談料や日当といった費用が発生する法律事務所もありますので、事前に確認しておきましょう。
10-1. 弁護士費用を低額で抑えるためには
先ほどの、弁護士費用の相場表を見ていただけたらわかりますが、誹謗中傷の書き込み削除、犯人の特定、慰謝料等の賠償請求の全てにおいて、裁判によらずに任意交渉で解決できれば安く済みます。
任意交渉で解決できるかどうかは、弁護士の経験値や交渉力に影響されます。
「家から近いから」「料金がほかより少し安いから」といった理由で依頼する法律事務所を決めるのではなく、まずはその法律事務所のWEBサイトで、どれくらい誹謗中傷問題について詳しい情報が発信されているか確認しましょう。
WEBサイトに力を入れていれば、当然、書き込み削除や犯人特定などの依頼を多く受任していますので、経験値も高いはずです。
また、相談時に弁護士にあれこれと質問をぶつけてみてください。法律の素人の方が理解できるようわかりやすく回答できる弁護士であれば信頼できるでしょう。
信頼できる経験値の高い弁護士を見つけ、裁判外の任意交渉で解決できる可能性を高めることができれば、低額な費用で問題解決に至ることも期待できます。
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